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Channel: KANTO's パン焼き人は荒です(^^♪
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鹿の湯温泉

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那須温泉の鹿の湯を訪ねた。
 
この温泉は、殺生石と同じ谷筋にある。
この辺りには何やらガスが噴出していて、虫や鳥、獣たちがしばしば死んだり倒れたりしたらしい。それで殺生石の名を貰ったようで、ここらが昔の刑場後だったというようなことではないらしい。那須の見どころの一つに数えられている。
 
旅館や土産物店のある集落を出はずれると、登山道は大きく右にカーブする。
鹿の湯の入口は、左手の岩ばかりの谷筋にその殺生石を見る辺りを右に下った所にある。登山道が、この谷筋を殺生石と鹿の湯に分けている。
 
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鹿の湯は那須温泉の元湯の一つだが、湯治湯だから旅館のような体裁にはなっていない。村はずれの銭湯の風情といったところか。怪我や病の治癒のため半月とか一か月ここに滞在するための施設だろうが、無論立ち寄りの湯人もひきを切らない。
 
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ここの湯温はかなり高めである。木製の浴槽が二つずつ三段になっていて、手前左の一番低い浴槽でも四十二度、奥の右手には四十八度の木札が付いている。
 
作法通りに湯を右肩から順にかけてから、さていちばん低い浴槽に浸かる。浴槽は正方形で、一つの浴槽に大人がなんとか四人まで交互に脚を伸ばせる。硫黄のにおいはまるでなく、むしろ塩分の多い湯のような感じだが、それにしては肌にぬるりとする感じも無い。
 
五分おきくらいに四つの浴槽まで浸かったが、それでも四十五度どまりだ。三段目の四十六度と四十八度の浴槽に入るのは、心臓に負担がかかりそうなので遠慮した。日本人は熱いお湯が好きだと言われるが、そんな高温の浴槽に浸かっている湯人は一人か二人しかいない。周囲の床に、壁を背に胡坐をかいている湯人たちは、既に入浴を終えて休息していたのか。何やら話に聞く江戸時代の牢名主を思わせるものがある。近寄れば、「ツルは持って来たか」などと脅かされそうに思えた。
 
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鹿の湯と言えば、帯広から車で少し入った所にも同じ名の温泉がある。いや、知名度から言えばそちらの方が上かもしれない。長野には鹿教湯温泉というのもある。信玄の隠し湯などと呼ばれているものの中にも、傷ついた鹿の後について行ったら鹿が温泉に浸かっていたなどという伝承の湯もある。
 
火山国日本はたくさんの温泉資源に恵まれている。湯人には嬉しいことだが、頻繁に地震があるのが気になる。気にはなるが温泉には入りたい。温泉に浸かったまま火山灰や溶岩に埋もれるのも、老いの身には一興かもしれしれぬなどと嘯いてみても、さりとていつか掘り返されて遺跡保存などされるのはぞっとする。
 
終わりの秋、那須には霙でも引き連れて来そうな冷たい風が吹いていた。
 
 
 
 
カメラを持参しなかったので、上の写真はすべてガラパゴス島のケイタイ画像です(^^;
 

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