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Channel: KANTO's パン焼き人は荒です(^^♪
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筑波山に登る

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春霞に煙るこの山
かつて江戸から西を眺めると富士があり
東にこの山が見えたといいます
もう少し近づいてみましょうかね

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乳房の形にも見えるこの山は
標高こそ900m足らずの低山ですが
深田久弥による日本百名山にも数えられている筑波山です

三月に一度検査があるとかで
連れ合いを医大病院へ連れて行ったあとは
5,6時間を病院の近くで潰すことになります
家に戻ったって特別何かをする予定も無いし
第一中途半端な数時間があるというのも困ります

いつもは病院の近くをドライブしたり
駅前のツタヤへ行って暇潰しをするのですが
それにも飽きたので
昨日は茨城県にあるこの名峰・筑波山へ行ってみることにしました
筑波山へは
高校一年になって間もなくの「校外授業」で行ったことがあったと記憶しています

行き当たりばったりはいつものこと
今回も
時計を見ながら
帰りの時間を残して行ける所まで行くという「旅」

病院からこの山のケーブルカーの乗り場まで
カーナビで調べると50分とはかからないようでした

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筑波山は山そのものがご神体
山麓の筑波山神社に詣でてからケーブルカー乗り場に向かいました

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昨今ケーブルと言えば空中ケーブルが人気ですが
ここは鋼索式のケーブルカー
山頂駅までほんの8分ほどの運行
途中下りて来るケーブルとすれ違います

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この路線も
夏の若葉や秋の紅葉が美しいのですが
今頃は融けやらぬ雪がまだ谷に残るばかりのやや寂しい風景

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トンネルを潜り抜けると間もなく山頂駅に到着します

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ケーブルの車体を釣り上げた鋼索は
この大きなプーリーで
釣瓶井戸のように巻き上げられるんですねぇ
なるほど

それにしてもレールには僅かながらも起伏もあるしカーブもあるのに
鋼索はレール間のプーリーから外れることもなく
まして浮き上がつたりすることもなく巻き取られて行くのって不思議ですね
この鋼索は結構重いのでしょうね

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筑波山は男体山と女体山の二つの峯の連なりになっています
つまりケーブルの山頂駅はその中間の尾根にあります
こちらが男体山ですが
栃木県には日光にその名も男体山という山があり
ちょっと紛らわしいですね

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このアンテナだらけの峯が女体山ということですが
調べてみると女体山のほうが数メートルだけ高いようです
見た目にはこちらの方が低いように見えますがね
頂上まではちょっと距離があります

この山が男体山と女体山からなっているところから
この山は万葉の時代から歌垣の山としてさまざまな文書に出て来ます
歌垣」ですか
どうぞWIKIなどでお調べください
ここでは万葉の中の歌を挙げておくことにいたしますね

「人妻に吾(あ)も交はらむわが妻に人も言問へ」
「今日のみはめぐしもな見そ言(こと)も咎むな」
『万葉集』第91759番収録の高橋虫麻呂作の歌だそうで

とも現代の感覚では御し切れない思想が感じられますが
この時代はとてもおおらかな時代だったのですよね

下って百人一首にもこんな歌がありますね

筑波嶺(つくばね)の 峰より落つる 男女川(みなのがは)
   恋(こひ)ぞつもりて 淵(ふち)となりぬる」
             陽成院(13番)

つくばね・筑波嶺は無論筑波山の嶺のこと
男体山と女体山の嶺から流れ落ちる川の名はミナノガワ
なんと「男女川」と書いて強引にそう読ませているのが凄いですね
相撲のしこ名にも男女川があり
これもミナノガワ親方などと言っています
地酒の名もずばり男女川です

ケーブルカーを降りて
人々は男体山と女体山のどちらに向かうでしょう
見ていると決まって女体山へ向かいますね
おかしいですが
それというのも男体山の方が険しそうで
よく見ると笹薮などにまだ雪がちらほらしていますから
ということにしておきましょう

無論私も革靴のままで来てしまいましたから女体山へ向かいました(^^;
その女体山でさえ雪解けでぬかるんだ山道でした

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途中の山道にこんな岩が「鎮座」しています
これはセキレイ石と呼ばれています
昔々神さまたちがまだ初心な青年であった頃
この岩の上でセキレイが睦合うのをご覧になって
「男女のこと」を理解したそうです
『古事記』でしたっけ?

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近くの道の駅で見かけたセグロセキレイです

まあね
この山で古くは歌垣が行われたりしたというのも
さまざまに詩句に詠われたというのも訳あってのことだったようです

女体山からケーブル乗り場に戻る途中の林のなかに
誰かさんが喜びそうな「ふふふの木」をみつけました

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興味のある方は
どうぞ拡大してごらんください

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筑波山と言えば四六の蝦蟇です
前足の指が四本
後ろ足の指が六本のガマガエルだそうです
「さてお立合い」とまずは四六の蝦蟇の口上を述べ
脇差を抜いて自分の腕を切ったと見せかけ
「ガマの脂」を塗ってから拭き取って
「これこの通りと腕を見せて」
膏薬を売っていたということでしたね

それにしても
ここでも女のお婆さんばかりが目立ちました
いや元気なものです
ショボクレタ爺さんなんど
どやされそうな勢いですね
「おらおらでひとりいぐも」っちゃね
やっと舅姑からも子どもらからもそして亭主からも解放されたんだもね
まさか歌垣に来たのではないよな(^^;




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