４日
観桜にはこの空は似合わないかと考えながら
宇都宮市内を突き抜けて東北道へ入った
前回三春を訪ねたのは２０１４年４月中旬だったが
今回はそれより１０日ほど早い
温暖の今年だから桜もいつもよりは早くに開花すると思ったのだが
東北道の諸所を彩る桜たち
取り分け栃木県側はほぼ満開
福島県内に入ると所により五分咲きの感じだった
幹の周囲が１１ｍ
枝は差し渡し最大２５ｍほど
流れるような枝垂桜の枝ぶりから「滝桜」と称され
樹齢も１０００年を優に超えていると推定されている
それにしても
この桜の前に銅張屋根の小社なんてかつては無かった
人は櫻を観にきているのであり
こんな小社が鎮座するとこの櫻も違った背景を持つことにならざるを得ない
滝桜の管理者である三春町は即刻こんな小社は撤去したがいい
滝桜の裏側にあたる丘の上にある草野心平さんの記念碑
前回は読み切れませんでしたが
今回は何とか読み下すことが出来ました
草野は福島県いわき市の出身で
滝桜の讃を乞われて書いたのでしょうか
瀧桜
梅桃桜
三春の春の
春一等の
瀧桜
萬朶の花は
盛り上が里
すだれ瀧となって
垂れさがる
日本一といはれてる
ベニシダレの
このみごとな美しさ
背景は
あやめの空と
羊雲
草野心平
何とか読み下してみましたが
一か所何のことやらわからないところがあります
家に戻って調べてみました
「萬朶の花」ばんだのはなと読みます
旧陸軍の襟章・兵科章の色のことで
緋色は歩兵黄色は砲兵緑は騎兵を表したとか
兵科章の緋色のような枝垂桜というのでしょうか
こんなものを襟に付けて歩き回る兵士たちの姿など
私は見たくありません
『兵士の本領』という歌の歌詞に「萬朶の花」があるそうです